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柳澤優香さん ロールモデル インタビュー(フリーペーパーVol.9掲載予定記事)

こんにちは!

8期のななです。

今回も11月発行予定のGirls.Lab Vol.9に掲載予定の記事の先行公開です!

一部ブログのみの掲載となっておりますので是非最後までご覧になってください。

 

早稲田大学 理工学研究所 講師の柳澤優香さんにお話を伺いました。

 

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 Q.まず理系を志したキッカケなどがあれば、教えてください

 

A.私は高校生の時、比較的数学の成績が良く、好きだったため、理系を選択しました。また、数学を担当していた先生が面白く人気があったのもきっかけのひとつです。数学ってみんなに嫌われがちで、数学が嫌だから文系に行く人も多いですよね。でもその先生はすごい人気があって、私もこんな先生になってみんなに嫌われている数学を好きになってもらいたいなと思って数学の教師を目指していました。理系に進むとクラスの中に女子が少ないですよね。自分が先生になったらせめて男女比が半々くらいになるように、特に女子に数学を楽しく学んで好きになってもらえるような先生になりたいと思ったのが理系に進んだきっかけです。ですので、大学では教職の科目も取っていました。今は大学の先生ですが、当時は数学に関わる先生になりたいという漠然としたイメージしか持っていませんでした。

 

Q.大学を卒業するときに数学の教師になろうか、また別の職業に就職しようか、院進学かで悩むことはございましたか?

A.企業に就職か、大学院に進学か、教職か、色々な選択肢がある中ずっと悩んでましたが、転機は4年生のときに教育実習に行った時です。初めて教壇に立って中学一年生に、数学の正と負の概念を教えようとしたとき、上手に説明できなくて、自分の無力さを思い知りました。そもそもプラスとマイナスって何ですかって言われたら説明は結構難しいんですよ。もちろんわかってくれる子もいましたが、中には分かりにくいって言う子もいました。今まで当たり前のように解いていたことを初めて学ぶ子たちにわかりやすく説明することは当時の私にとっては難しくて、一生懸命努力したのですが、生徒だけでなく、見学に来た先生たちにも分かりにくいって言われちゃって落ち込みました。こんな未熟な私が教師になっても何も出来ないとその時思い知りました。なので、就職して修行しようと思って、大手IT企業に入社し、5年間勤めました。自分が担当していたプロジェクトが完了したタイミングで退職して、大学院に進学しました。

 

Q.では就職された時点で一旦やめて大学院に進もうと思っていらっしゃったのですか?

 

A.はい。具体的に何年というのは決めていませんでしたが、まだ数学を勉強したい気持ちも残っていましたし、ずっとその企業にいるつもりはありませんでした。時が来たら、大学に戻ってもう一度数学を勉強して良い先生になれたらなと思っていました。SEとして働いている時期は忙しくて大変でしたが、貴重な経験をさせていただいたと思っています。

 

Q.では就職をした後、もう一度学問の道へ戻ろうと思ったのは何故ですか?

A.仕事は人生を豊かにする重要な要素だと思っています。なので、無理なく長く続けられる仕事に就きたいと思ったからです。企業でSEとして働いていた頃は、やりがいはありましたが、忙しすぎて体調を崩したことは一度や二度ではありませんでしたので、私にとって長く続けられる仕事ではないなと思いました。というのと、前述の通り、まだ大学で勉強したい気持ちが残っていたので、よいタイミングで退職して勉強を始めました。母校の院試を受けたら運良く合格しました。その後はアカデミックな道を一直線です。

 

Q.では大学在学中に熱中していたことや頑張っていたことを教えてください

A.私はサークルとアルバイトを頑張っていました。

サークルは東京女子大学内にある音楽サークルでピアノを弾いていました。

アルバイトは、塾の先生をしていました。そこでは中学受験を控えている小学生を教えてていたのですが、私は公立中学に行っていたので中学受験はしていなかったので、教えるのにとても苦労しました。それも自分にとって役に立った経験だったと思います。

 

Q.企業で働いていた時の生活と今の生活を比べて、やりがいや生き甲斐の違いはありますか?

 

A.最も大きな違いは能動的と受動的ということでしょうか。企業で働いていた時は、上司や先輩の指示で動きますが、今はすべて自分で考えて主体的に行動しなければいけないということです。学生の頃は指導してくれる先生がいましたが、博士号を取ったあとは、誰も教えてくれません。自分の研究でわからないことがあれば、すべて自分で調べる必要があります。海外の方とディスカッションをすることもあります。それらの必要性も含めてすべて自分で考えなくてはなりません。ただ、自分のペースでスケジュールを調整できるので、企業と違って拘束される時間少ないのが、今の仕事のいい点でしょうか。

 

Q.では最後に理系の道を歩み始めた女子大生、迷っている女子高生にアドバイスをお願いします!

 

A.理系に進もうか迷ってる女子高生の皆さんへ

例えば、数学科へ進みたいと言った時に「数学勉強して何の役に立つの?どこに就職するの?」って言われることがあるかもしれません。少なくとも私は両親からそう言われました。確かに就職先や将来の仕事に直結しない学問かもしれないという不安はありましたが、私はまずは自分の心に従って行動しました。そして、色々と遠回りはしましたが結果的に今、自分が十代の頃思い描いていた理想の職業に就いています。ご両親や周囲の人たちの意見ももちろん参考にはなりますが、まずは自分の心に従って勇気を出して進んでみると何か道が開けるかもしれません。なので、理系の学問で何か興味があることがあれば、ぜひその道に進んで欲しいなと思います。

 

 

理系の道を歩み始めた女子大生の皆さんへ

前述の通り、私も皆さんと同じように教職、企業、大学院、どれに進もうか悩みました。

大学院に進学するとなると、学費などの関係で自分だけ決断できませんよね。両親に相談する時期が来ると思います。

私の場合は、早く自立したい気持ちがあったのでそれを優先してまずは企業に就職しました。なので、その時に自分が何を優先するかが選択する上での決め手になると思います。

私と同じように企業を退職して大学院に進学する人もいますし、企業にいながら大学院へ進学して博士号を取得した方もいます。人生長いですから、一度決断して進んだ道でも、自分の気持ちに変化が訪れればいくらでも修正することは可能だと思います。(軽い気持ちで進路を変更するのはよくないと思いますが。)

もし迷ってどうすればいいかわからない方は、人の意見に振り回されず、まずは自分自身がどうしたいかを冷静に考えてみてはいかがでしょうか。頭で混乱するなら紙に書き出してみるのもオススメです。その考える時間もその人にとって貴重な経験ですので、大切にしてください。

 最後までご覧になっていただきありがとうございました。

 まだまだフリーペーパー掲載予定記事を先行公開していきますので、お楽しみに!