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福島原発事故に関する確かな情報 3/16-05:30更新

昨夜も静岡で大きな地震が起きましたが,みなさんご無事でしょうか。

幸い私たち凛のスタッフは皆無事が確認できました。

津波に見舞われた地域では未だ数多くの行方不明者がいらっしゃるようですね。

本当に心配です。

被災された方々には謹んでお見舞い申し上げます。

また,1日も早い復興のために私達に何かできないかと,凛スタッフ一同顧慮しております。

さて,福島原子力発電所で発生しているトラブルについての報道が連日行われています。

その中にはもちろん正しい情報も含まれていますが,誤った情報も一部含まれているようです。

いたずらに不安を煽るような報道や,原子力発電所の設計者や現場で作業に従事している方々を冒涜するようなコメント…様々な情報が錯綜しています。

正しい情報が得られそうなリンクを以下にまとめました。

東北地方太平洋沖地震に伴い発生した原子力発電所被害に関する放射能分野の基礎知識 | 放射線医学総合研究所

原発に関するQ&Aまとめ+ [3/16-05:23更新] | サイエンス・メディア・センター

MIT研究者Dr. Josef Oehmenによる福島第一原発事故解説(英文)

MIT研究者Dr. Josef Oehmenによる福島第一原発事故解説(和文)

新潟県:放射線や放射能の単位について

新潟県:新潟県内の放射線測定データについて

チェルノブイリのような大事故にはならないとの見方が強いようです。

その主な根拠と,派生する疑問回答を以下にまとめました。

根拠1:地震発生から数秒後にはウラン核分裂連鎖反応は停止している

→ではなぜ炉心の温度が上がっていくのか

ウランの分裂過程では放射性元素が発生する。

ウラン核分裂は停止しているので,放射性元素も増えることは無いが,停止前に発生した放射性元素が炉心内に残っている。

放射性元素は時間をかけて分裂を繰り返し,最終的に放射性をほとんど持たない物質となる。

この過程で熱が生じるため炉心の温度が上昇する。

→炉心の温度が上がると何が問題なのか

2200℃を超えると第1の格納容器(ウランをとじこめたペレット)が溶け始める。

これにより,ウラン崩壊の際に生じる放射性元素セシウムヨウ素等の放射性物質)を含む蒸気が第2の格納容器である圧力容器内に放出される。

→圧力容器内に放射性元素が放出されると何が問題なのか

圧力容器内の温度が上がると容器内の圧力が上昇する。

圧力が上昇しすぎると爆発する危険性があるので,容器内から蒸気を逃がすことで圧力をコントロールする。

そのため圧力容器内の蒸気にセシウムヨウ素放射性物質が含まれていると,蒸気を逃がす際にこれらの放射性物質も逃がすことになる。

根拠2:格納容器と原子炉容器は壊れていない

→水素爆発で壊れたのではないか

福島原発での水素爆発は第三の格納容器の外の原子炉建屋で起こったものであり,格納容器と原子炉容器は壊れていない。

→なぜ第三の格納容器と原子炉建屋の間で水素爆発が起きたのか

圧力容器から蒸気を逃がす際,直接大気に放出するのではなく第三の格納容器と原子炉建屋の間の空間に放出することで,蒸気が大気に放出されるまでの時間をかせぐ狙いがあったと考えられる。(放射性元素はある一定の周期で分裂を繰り返して非放射性元素になるため,大気に放出されるまでの時間が長いほど放射能は弱くなる。)

炉心が高温になっていたことで,放出された蒸気内の水分子が水素と酸素に分離し,爆発性混合物となっていたために水素爆発が起きた。

近隣住民の方をはじめ福島で今回起きている原発事故に不安を感じざるを得ない方はたくさんいるでしょう。

しかし、今も現場で作業に従事して下さっている方々がいます。

状況を良くする方法を必死に考えて下さっている技術者,研究者の方々がいます。

どうか慌てず,誤った情報を流さないようにして下さい。

正しい情報を把握して,一人一人が今やれることを考えなきゃと本当に思います。

~凛スタッフ:まり~