理系女子大生コミュニティ凛 official blog

理系女子の普段をゆる〜く紹介中。。

つくば企画第三弾―美人研究者にインタビュー♪+.

さきほどの記事に引き続き、

から元気なしおりがお送りします!笑

研究所を回ったあと、

本山三知代さんを取材させていただきました!

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*本山三知代さんの経歴

東京理科大学基礎工学部卒業

ソルボンヌ大学フランス文明講座(中級)修了

東京大学大学院農学生命科学研究科 修士課程修了

独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構) 現職

東京大学大学院理学系研究科 博士課程修了

ではでは、インタビューのはじまりはじまり(ω)!

――研究内容について教えてください。

農畜産物の品質の保持と向上ののためのプロジェクトに携わっています。

農研機構の研究プロジェクトのひとつです。

そのプロジェクトの中で私が担当しているのが食肉で、

特に脂肪について研究しています。

畜草研に配属になってからまず半年は研修期間で、様々な研究について取り組みます。

それが終わったあと、食肉の担当というのが決まり、

私はその中で脂肪の品質の研究を進めています。

脂肪の質によって、食肉を食べたときの脂肪の口どけの良さなど変わってくるのですが、

その関係について調べています。

研究内容については、実際に使ってもらえる技術になることを目指して

自分の興味のあることを行うことができます。

学部時代は遺伝子工学を専攻しており、マウスの前脳について研究していました。

発生過程における遺伝子の発現を調査しました。

大学院修士課程では小麦の研究をおこなっていました。

学部学生時代にやっていたことと違うものを現在は研究していますが、

そのころ研究で得たものというのは、いまでも役に立っています。

色々なことをやってきた分、学会に行けば理解できる話題が多く、良かったと思っています。

――畜草研に入るためには、どんな試験を受けるのですか?

国家公務員第一種のペーパー試験を受けたのち、

研究をやるか霞が関で技官(官僚)になるかが決まります。

研究に配属されるのは30人で、ほとんどの人が研究志望。

研究をするためには、試験で良い成績をとらなければいけません。

※上の内容は当時の採用方法であって、現在は国家公務員I種試験からの採用は無いようです。

現在は、国I試験の代わりに農研機構独自の試験があります。

http://www.naro.affrc.go.jp/acquisition/guideline/index.html

博士号をとっていれば、国Ⅰの試験を受けなくても、

何年間か雇用され、その後面接によって終身雇用されるかどうかが決まります。

テニュア・トラック制度http://www.naro.affrc.go.jp/acquisition/guideline/index.html

現在はこの方法による採用が一番多いと思います。

――フランス留学について教えてください!

学部4年生時代に、研究がとてもいそがしくて辛くて、文系就職も考えました。

しかしどの企業もピンと来ず、また文転して開発学の勉強がしたいという思いもありました。

なので、開発学先進国のフランスの大学への入学を目指して、語学留学し、大学のフランス語講座を受講しました。

留学時代はとても楽しかったです!

フランスは学生なら美術館などは、タダなので、たくさん見てまわりました。

また、海外に行くことで、自分は日本人なのだということを強く感じました。

フランスで、家族や友達などの雑音のない中、将来について考えると、

自分が本当にやりたいことは研究なのだと気付きました。

また、フランスは農業が強いので、そこで日本の農業の脆弱さを知り、

日本で農業の研究をしたいと考えました。

日本で農業を研究するとなると、企業ではなかなか難しいので、

国の研究所に入ろうと思い、国Ⅰ受験を決めました。

フランス留学して将来についてゆっくり考えたのは、私の人生の転機とも言うべきものになりました!

海外留学が就活で不利になることはありません。

むしろコミュニケーション能力、バイタリティー、英語力の面でプラスになります。

可能性を広げるためにも、留学はおすすめです。

――帰国後はどうされたのですか?

8月に帰国し、大学院にはいるため、10月の院試に向けてすぐに勉強を始めました。

もともと遺伝子工学専攻でしたが、

院は農学系を受けたので試験科目がまったく勉強したことのないものばかりで、

入りたかった研究室の学生のノートを入手して、

必死で勉強しました!

――勤めながら博士号をとるのは大変ではなかったですか?

いまの研究所に入ってから、東大の理学系研究科の博士課程に社会人学生として入り、学位を頂いたのですが、もちろん大変でした!

月曜・木曜は大学のミーティングとゼミに出席し、

それに加えて火曜・水曜・週末も仕事の合間をみて大学で研究……

とてもハードな生活を送っていました。

しかし、博士号は理系にとって必須と思います。

将来研究職に就かなくても、 営業などでも、

その人が博士号を持っているかどうかで、

説得力が全然違います。

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――女性として、仕事とプライベートの両立について教えてください。

私の所属している部は、研究員の50%は女性です!

国の機関なので、女性支援が進んでおり、女性の採用の枠も増えています。

研究員の結婚は遅めですね。

博士まで行っちゃうと仕方がないです。

しかし、家庭と仕事の両立がしっかりできている女性研究員は多いですよ!

もちろん結果を出すことが前提ですが、

研究はある意味自分のペースで進められるので、子育てし易いと思います。

農業研究は日本のあらゆる気候のもとで研究する必要があるために、

研究施設は全国各地にあるので、転勤もあります。

1つのプロジェクトに5年くらいかかるので、あるとしても10年に1回くらいのようですが…

また、女性の転勤は少ないようです。

家庭のことを考慮してくれていて、働きやすい環境だと思います。

――本山さんが研究者として大切にしていることは何ですか?

ノーベル賞を受賞した鈴木先生の「飽くなき探索」という言葉です。

また、小柴先生ノーベル賞を受賞されたときに触れたセレンディピティも好きです。

セレンディピティとは研究上、運に恵まれるかどうかということで、幸運に巡り会う機会はあっても、

それを生かすかどうか、その対応の仕方が肝心。

新しいものを見つけようとする気持ち、見つけるための

努力が大事で、それを持っているかどうかで、

セレンディピティを生かすかどうかは変わってくる」

http://www.nextleader.jp/237/より引用)

つまり、研究をする上で、

思い通りの結果にならなかったときこそがチャンス

と思うことが大事。

そこから新たな発見が生まれるかもしれないから。

また、博士課程でお世話になった先生が良くおっしゃっていたことなのですが、研究は楽しいものだということです。

楽しくないのなら、それはただの業務です。

学部4年のときにつらかったのは、目の前の研究が何の役に立つかもが理解できず、

研究を主体的にやっていなかったからなのだと思います。

自分の研究ではないものをやって楽しいわけがありません

――最後に理系女子へメッセージをお願いします!

今、私は自分がやりたいことがやれて幸せです。

研究が本当に好きだから、いまの仕事を続けられています。

なんとなくで来てしまっていたら、続けられなかったと思います。

日本で親元にいると、どうしても

親が自分に将来どうして欲しいか見えてしまって、

自分で将来について考えることは難しいと思います。

留学をするなどして、自分と向き合う時間、客観視する時間をもってみてください。

自分がやりたいこと、自分にむいていることは自分の中にしかありません。

親、友達などの雑音が多いと気がつくことが出来ないものです。

周りの声に流されない様にしてください。

この取材についても、鵜呑みにするのではなく、

自分自身で消化して、自分で自分の人生決定をおこなっていってほしいですね!

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本山さん、取材に快く応じてくださり、

また案内もたくさんしていただき、

本当にありがとうございました!

農研機構 畜産草地研究所HP(http://nilgs.naro.affrc.go.jp/index.html

最後に、ぽちっとおねがいします!

今何位ー?!?!

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